会長挨拶

近年、崩壊斜面や道路のり面等の斜面の緑化工において、在来植物による緑化工に対する関心が高まっております。これは従来の緑化工が持つ役割以外に 「在来種による植生回復」 の要素が強く要求されるようになってきたことが要因と考えられます。また2005年6月に施行された「外来生物法」も大きな要因と考えています。

「タフグリーン工法」 は、2002年に開発した自然緑化工の新技術で、バーク系有機質基材に腐植土を混合した森林土壌に近い植生基盤に、補強短繊維を混合して斜面に吹付け、さらに侵食防止効果の高い土壌侵食防止マットを植生基盤面に敷設し、植生基盤の流出や流亡を防ぐ工法です。

この工法では、初期侵食防止のために導入している早期生育植物に依存することのない、遅速緑化が可能となっています。このため、現地に存在する植生を導入する遅速緑化が可能であることから、 「埋土種子・採取種子を活用した緑化」、「種子無しによる待ち受け型の緑化」 も現地の土壌・植生調査等の結果を踏まえた導入が可能な工法です。

最近は、崩壊した斜面の緑化(山腹工)工事においても、崩壊地の周辺の林地と同種の中・低木林による樹林化を目指した対策工として、切土補強土工等の構造物工(のり面工)との併用により、 「山腹工」 として施工を行い、評価を頂いております。

施工方法は、従来の植生基材吹付工で使用する同様の機器での施工が可能です。また、崩壊地等の不安定な斜面でのアンカー工等の作業時における安全対策として 「仮設ECOバインド」 を斜面に吹き付けを行い、落石等を防止し、工事中の作業員の安全確保にも務めております。

「タフグリーン工法」は現地に存在する在来植物の種の導入による道路ののり面の「自然緑化工法」として、また、崩壊斜面の安定を図る森林緑化を可能にした「山腹緑化工法」として評価を頂いており、がけ崩れや地滑りの防災対策や道路のり面の緑化対策工の選定に当たりましては、是非、タフグリーン工法のご検討・ご採用を宜しくお願い致します。

タフグリーン工法研究会
会長 川田 孝信

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